理科教師の日常

中学校理科教員の日常や理科についてのブログ。

【読書感想】学校の「当たり前」をやめた。~生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革~

どうも理科教師のなおです!

試験、成績処理のごたごたの中でブログ更新できていませんでした。

やっぱりこの時期は忙しい、、、もっとうまく時間の調整等しないとなぁ

さて久々の更新は読書感想!担任もって朝読書の時間にゆっくり本が読めるようになったのはありがたい!

 

1.本書概要

今回紹介するのは時事通信社出版の「

学校の「当たり前」をやめた。

生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革」です。

この本は千代田区麹町中学校の校長先生、工藤勇一校長先生が著者で、学校での改革の様子や持論について述べられた本です。麹町中ではこの工藤校長先生が赴任してから「服装指導を行わない」、「宿題を出さない」、「中間・期末考査の廃止」、「固定担任制の廃止」などこれまでの学校では考えられない数々の改革を行ってきました。民間企業出身の校長ではない工藤校長先生がどうしてここまでの改革を行ってきたのか、教育を行っていくうえで何を大事にしているかなどをまとめたのがこの本です。

 

2.一貫して述べられていること

工藤校長が本書の中で一貫して述べられているのが以下の3つのことを大切にしているということです。

①目的と手段を取り違えない

②上位目標を忘れない

③自律のための教育を大切にする

工藤校長はそもそも学校は子どもたちが「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにある。と考え、「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」すなわち「自律」する力を身に付けさせる必要があると考えています。この「上位目標」を1番に考え、この目標を達成するための活動を学校で行っていこう、何かをすることを自体を目的とした「手段の目的化」をなくしていこうというのが様々な改革の基盤となる考え方です。これまでの学校での固定観念にとらわれない教育をしていこうということを提案しています。「中間・期末試験の廃止」や「固定担任制の廃止」など通常の学校では考えることのできない様々な改革もこうした考えをもとに読んでいくと「なるほど、理にかなっている」と納得させられることばかりでした。

 

3.感想

そもそも具体的にどのような改革が行われているのかなどについて知りたいと考え買った本書であったが、それ以上に工藤校長の教育観に納得させられるばかりの内容であった。自分もまだまだ「こうしなければならない」、「こうするのが当たり前だろう」という固定観念を持っていることに気づかされるばかりであった。

子どもにとって何が大切なのか。そのためにこの行事では何を大切にしていくべきなのか。そうしたことを常に考え、固定観念にとらわれない柔軟な対応をしていこうと考えさせられる本書であった。