令和5年度都立入試理科解説(大問4)
こんにちは。理科教師のなおです。
今日は都立入試理科の解説 大問4をやっていこうと思います。
問題は以下から確認してください。
問1<結果>からわかる唾液のはたらきとして適切なものを選べ。
実験結果を比較して、そこからわかることについて説明する問題。その結果からわかることかはしっかりと判断して答える必要がある。それぞれの実験操作の何が異なり、それによって結果がどう変わっているのかについて考える。
今回の選択肢は試験管AとB、試験管AとDを比較している。「AとB」、「AとD」はどちらも唾液が入っているか入っていないかの違い。また、「AとB」はどちらもヨウ素液を入れているが、「AとD」はAはヨウ素液、Dはベネジクト液を加えている。
そもそも「唾液の有無」、「試薬の違い」という2つの条件を変えての比較では対照実験は成り立たないので、選択肢イとウは除外される。また、ベネジクト液は糖を検出するための試薬であり、唾液を入れることで、ベネジクト液が反応するようになったので、元々なかった糖が出現していることがわかる。また、デンプンは分解されることで麦芽糖に変化することは中2で学習する基礎知識である。このことから、「ウ」が答えであることがわかる。
問2 ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸,モノグリセリドが小腸で吸収される様子として適切なものを選べ。
基礎的な知識問題。分解された代表的なものは小腸で吸収された後、以下に運ばれる。
モノグリセリド、脂肪酸 → リンパ管
脂肪から分解されたものだけが吸収後元の脂肪に戻ってリンパ管に運ばれる。
よって答えは「エ」。
問3 吸収された栄養分が最も多い場所と、栄養分からエネルギーを取り出すのに使う物質との組み合わせとして適切なものを選べ。
小腸で吸収された栄養分の一部は肝臓に蓄積される。そのため、肝臓を過ぎると血液中の栄養分は減ってしまう。そのため、小腸から肝臓の間のAが最も栄養分の濃度が高い。
この栄養分は基本的に有機物であり、有機物の燃焼と同じ反応式で反応が起こり、それによって発生したエネルギーとして取り出し、その際水と二酸化炭素が発生する。燃焼と同じ化学反応式であるため、必要な物質は酸素となる。
よって答えは「ア」
どの問題も基本的な知識を等問題だが、焦っていると見間違えてしまったり、混乱することがある。しっかりと基本的な知識を整理し、まとめておくことが重要。