理科教師の日常

中学校理科教員の日常や理科についてのブログ。

令和5年度都立入試理科解説(大問6)

こんにちは!理科教師のなおです。

今日は令和5年度都立入試理科 大問6について解説していきたいと思います。

問題については、以下から確認してください

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

問1電圧の大きさが同じとき、流れる電流が大きい抵抗器はどっち?電圧の大きさが同じとき、流れる電流が大きい回路はどっち?

電圧の大きさが同じであるとき、流れる電流の大きさは抵抗の大きさによって決まる。

 

抵抗器

各抵抗器の抵抗の大きさは問題文からXが5Ω、Yが20Ω。抵抗の大きさが大きいほど電流が流れにくい。そのため、同じ電圧の大きさだとXの方が流れる電流の大きさは大きくなる。

回路

直列回路の場合、2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさは2つの抵抗を合計した大きさとなる。そのため、1つの時に比べて2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさは小さくなる。逆に並列回路の場合は、2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさはそれぞれ1つの時の抵抗の大きさよりも小さくなる。そのため抵抗の大きさは「直列の回路全体>抵抗器Y>抵抗器X>並列の回路全体」となる。よって、流れる電流の大きさは抵抗の小さい並列回路の方が大きくなる。

 

よって答えは「ア」

問2抵抗の大きさの関係を表したものとして適切なものを選べ。

問1で解説した通り。「ウ」

問3図1の抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力と図2の抵抗器XとYで消費される電力が等しいとき、図1の抵抗器Xに加わる電圧をS、図2の抵抗器Yに加わる電圧をTとする。S:Tを最も簡単な比で表せ。

ちょっと問題の意味を把握するのに時間がかかる問題。

消費される電力は電流×電圧で表すことができる。問題文の状態を回路図で表すと以下のようなものになる。

 

図1についてまず考える。

図1は並列回路のため、それぞれの抵抗器にかかる電圧と全体にかかる電圧の大きさはどこも同じであり、S〔V〕となる。図で表すと以下の図のようになる。

 

オームの法則(V=R*I)より、それぞれの抵抗器に流れる電流の大きさは以下のようになる。(下の図中青色で示した部分。)

 ・抵抗器X:S=5*I   I=S/5

 ・抵抗器Y:S=20*I   I=S/20

また,並列回路の回路全体の電流の大きさは枝分かれ後の電流の大きさの和となるため、

S/5 + S/20 = 1/4S (下の図中オレンジで示した部分)

そのため、抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力(電流*電圧)は

S * 1/4S = 1/4S^2

 

図2について

図2は直列回路であるため、回路全体の抵抗の大きさは2つの抵抗の和となる。

以下の図赤字のようになる。

 

また、回路全体を流れる電流の大きさはそれぞれの抵抗器に流れる電流の大きさと等しい。

そのため、抵抗器X にオームの法則を当てはめて考えると、流れる電流の大きさはT/5〔A〕(図中青で示した部分)。また、回路全体にオームの法則を当てはめると、回路全体にかかる電圧は5Tとなる(図中オレンジで示した部分)。

このことから、図2の回路における抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力は

5T*1/5T = T^2

 

今回の問題文の過程から図1と図2で消費される電力は等しいので、

1/4S^2 = T^2

どちらも2乗になってるので、平方根を取ると1/2S = Tとなる。

このことから、S:Tは2:1の関係であることがわかる。よって答えは「ウ」。

 

問4電力と電力量の関係について文中の空欄を埋めよ。

電力量は電力✖️時間〔S〕で求めることができる。

9Wで2分(120秒)と4WでX秒の電力量が等しくなる時のXを求めれば良い

9*120 = 4 *X の方程式を解くとX=270 

よって答えは4分30秒の「イ」。

 

問3だけ少し難しいが、やはり基本的な知識が問われる問題が多い。しっかりとそれぞれの内容を理解し、自分なりにまとめるとともに、それぞれの言葉や式の意味をしっかりと整理しておくことが大切である。

 

 

 

辻 5 TCコ
l ]
入TCv 3 ∞ 5[A]
: '! ×(5 Y(cocon 7)
: :

25[2] .

→! sCv 7
SVC]
: X[5[2]] : (AI ↓ E Tだ"式'(A]
Y(202); →! SCv)× IfLA]

令和5年度都立入試理科解説(大問6)

こんにちは!理科教師のなおです。

今日は令和5年度都立入試理科 大問6について解説していきたいと思います。

問題については、以下から確認してください

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

問1電圧の大きさが同じとき、流れる電流が大きい抵抗器はどっち?電圧の大きさが同じとき、流れる電流が大きい回路はどっち?

電圧の大きさが同じであるとき、流れる電流の大きさは抵抗の大きさによって決まる。

 

抵抗器

各抵抗器の抵抗の大きさは問題文からXが5Ω、Yが20Ω。抵抗の大きさが大きいほど電流が流れにくい。そのため、同じ電圧の大きさだとXの方が流れる電流の大きさは大きくなる。

回路

直列回路の場合、2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさは2つの抵抗を合計した大きさとなる。そのため、1つの時に比べて2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさは小さくなる。逆に並列回路の場合は、2つの抵抗器を合わせた抵抗の大きさはそれぞれ1つの時の抵抗の大きさよりも小さくなる。そのため抵抗の大きさは「直列の回路全体>抵抗器Y>抵抗器X>並列の回路全体」となる。よって、流れる電流の大きさは抵抗の小さい並列回路の方が大きくなる。

 

よって答えは「ア」

問2抵抗の大きさの関係を表したものとして適切なものを選べ。

問1で解説した通り。「ウ」

問3図1の抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力と図2の抵抗器XとYで消費される電力が等しいとき、図1の抵抗器Xに加わる電圧をS、図2の抵抗器Yに加わる電圧をTとする。S:Tを最も簡単な比で表せ。

ちょっと問題の意味を把握するのに時間がかかる問題。

消費される電力は電流×電圧で表すことができる。問題文の状態を回路図で表すと以下のようなものになる。

 

図1についてまず考える。

図1は並列回路のため、それぞれの抵抗器にかかる電圧と全体にかかる電圧の大きさはどこも同じであり、S〔V〕となる。図で表すと以下の図のようになる。

 

オームの法則(V=R*I)より、それぞれの抵抗器に流れる電流の大きさは以下のようになる。(下の図中青色で示した部分。)

 ・抵抗器X:S=5*I   I=S/5

 ・抵抗器Y:S=20*I   I=S/20

また,並列回路の回路全体の電流の大きさは枝分かれ後の電流の大きさの和となるため、

S/5 + S/20 = 1/4S (下の図中オレンジで示した部分)

そのため、抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力(電流*電圧)は

S * 1/4S = 1/4S^2

 

図2について

図2は直列回路であるため、回路全体の抵抗の大きさは2つの抵抗の和となる。

以下の図赤字のようになる。

 

また、回路全体を流れる電流の大きさはそれぞれの抵抗器に流れる電流の大きさと等しい。

そのため、抵抗器X にオームの法則を当てはめて考えると、流れる電流の大きさはT/5〔A〕(図中青で示した部分)。また、回路全体にオームの法則を当てはめると、回路全体にかかる電圧は5Tとなる(図中オレンジで示した部分)。

このことから、図2の回路における抵抗器Xと抵抗器Yで消費される電力は

5T*1/5T = T^2

 

今回の問題文の過程から図1と図2で消費される電力は等しいので、

1/4S^2 = T^2

どちらも2乗になってるので、平方根を取ると1/2S = Tとなる。

このことから、S:Tは2:1の関係であることがわかる。よって答えは「ウ」。

 

問4電力と電力量の関係について文中の空欄を埋めよ。

電力量は電力✖️時間〔S〕で求めることができる。

9Wで2分(120秒)と4WでX秒の電力量が等しくなる時のXを求めれば良い

9*120 = 4 *X の方程式を解くとX=270 

よって答えは4分30秒の「イ」。

 

問3だけ少し難しいが、やはり基本的な知識が問われる問題が多い。しっかりとそれぞれの内容を理解し、自分なりにまとめるとともに、それぞれの言葉や式の意味をしっかりと整理しておくことが大切である。

 

 

 

辻 5 TCコ
l ]
入TCv 3 ∞ 5[A]
: '! ×(5 Y(cocon 7)
: :

25[2] .

→! sCv 7
SVC]
: X[5[2]] : (AI ↓ E Tだ"式'(A]
Y(202); →! SCv)× IfLA]

令和5年度都立入試理科解説(大問5)

こんにちは!理科教師のなおです。

今日は都立入試理科解説 大問5をやっていきたいと思います。

問題はこちらから確認してください。

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

問1塩化銅が蒸留水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれたモデルとして正しいものを選べ。

塩化銅は化学式で表すとCuCl2(2は本当は下付き)。Cu原子1つとCl原子2つでできている。水に溶かすとこれらは電離してイオンとなる。Cuは陽イオン、Clは陰イオンとなるため、陽イオンと陰イオンが1:2の割合で存在している。そのため答えは「ア」。

問2電極Aは陽極と陰極どちら?回路に流れる電流の向きは?

電源の+極側につながる電極を陽極、ー極側を陰極と呼ぶ。<図1>から、電極Aはー極につながっているのがわかるので、電極Aは陰極。電流は電源装置の+極からー極に流れるので、電流の流れはD。よって答えは「エ」となる。

ちなみに、電子の流れに関してはー極から+極となるので注意。

問3<結果1>をもとに、電極B付近で生成された物質が発生する仕組みについて説明した文章の穴埋めをせよ。

結果から、刺激臭を発生する気体であり、水溶液中にある原子から発生するのは塩素であることがわかる。塩素の単体は「Cl2」であるため、塩素の発生には塩化物イオンが2個必要である。また、塩化物イオンは陰イオンであるため、塩素原子よりも電子が2つ多い状態になっている。そのため、塩素分子になるためには電子を放出する必要がある。以上のことをまとめると、答えは「イ」。

問4<結果1>から、電流を流した時間と水溶液中の銅イオンの数の変改の関係を模式的に示したものとして適切なものを選べ。<結果2>から,電流を流した時間とナトリウムイオンの数の変化の関係を模式的に示したものとして適切なものを選べ。

イオンの数がどう変化していくかをまとめたグラフを選ぶ問題。

実験1では

 陽極:銅イオンが銅に変化

 陰極:塩化物イオンが塩素に変化

そのため、反応が進むにつれて、水溶液中では銅イオンと塩化物イオンが減っていく。

問題となっている銅イオンはどんどん減っていくため、それを表すグラフは「イ」

実験2では

 陽極:水酸化物イオンが酸素に変化

 陰極:水素イオンが水素に変化

そのため反応が進むにつれて、水酸化物イオンと水素イオンが水溶液から減っていきます。しかし、問題となっているナトリウムイオンはどちらの電極の反応にも関係しないので、増えも減りもしません。そのため、「ウ」のグラフが答えになってくる。

 

モデルなどそれぞれの反応を粒子でイメージする能力が確認されている問題が多い。単純な知識として単語や式だけ暗記するのではなく、どうしてそのような形になるのかをイメージとしてもっておけると良いかもしれません。

令和5年度都立入試理科解説(大問4)

こんにちは。理科教師のなおです。

今日は都立入試理科の解説 大問4をやっていこうと思います。

問題は以下から確認してください。

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

問1<結果>からわかる唾液のはたらきとして適切なものを選べ。

実験結果を比較して、そこからわかることについて説明する問題。その結果からわかることかはしっかりと判断して答える必要がある。それぞれの実験操作の何が異なり、それによって結果がどう変わっているのかについて考える。

今回の選択肢は試験管AとB、試験管AとDを比較している。「AとB」、「AとD」はどちらも唾液が入っているか入っていないかの違い。また、「AとB」はどちらもヨウ素液を入れているが、「AとD」はAはヨウ素液、Dはベネジクト液を加えている。

そもそも「唾液の有無」、「試薬の違い」という2つの条件を変えての比較では対照実験は成り立たないので、選択肢イとウは除外される。また、ベネジクト液は糖を検出するための試薬であり、唾液を入れることで、ベネジクト液が反応するようになったので、元々なかった糖が出現していることがわかる。また、デンプンは分解されることで麦芽糖に変化することは中2で学習する基礎知識である。このことから、「ウ」が答えであることがわかる。

問2 ブドウ糖アミノ酸脂肪酸,モノグリセリドが小腸で吸収される様子として適切なものを選べ。

基礎的な知識問題。分解された代表的なものは小腸で吸収された後、以下に運ばれる。

 ブドウ糖アミノ酸    → 毛細血管

 モノグリセリド、脂肪酸  → リンパ管

脂肪から分解されたものだけが吸収後元の脂肪に戻ってリンパ管に運ばれる。

よって答えは「エ」。

問3 吸収された栄養分が最も多い場所と、栄養分からエネルギーを取り出すのに使う物質との組み合わせとして適切なものを選べ。

小腸で吸収された栄養分の一部は肝臓に蓄積される。そのため、肝臓を過ぎると血液中の栄養分は減ってしまう。そのため、小腸から肝臓の間のAが最も栄養分の濃度が高い。

この栄養分は基本的に有機物であり、有機物の燃焼と同じ反応式で反応が起こり、それによって発生したエネルギーとして取り出し、その際水と二酸化炭素が発生する。燃焼と同じ化学反応式であるため、必要な物質は酸素となる。

よって答えは「ア」

 

どの問題も基本的な知識を等問題だが、焦っていると見間違えてしまったり、混乱することがある。しっかりと基本的な知識を整理し、まとめておくことが重要。

 

 

令和5年度都立入試理科解説(大問3)【地学・天気】

こんにちは理科教師のなおです。

今日は都立高校の令和5年度入試 大問3について解説したいと思います。

問題はこちらを参考にしてください(東京都が掲載している過去問です)

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

大問3は教科書にも載っている露点を測定するための実験フラスコ内で雲をつくる実験について説明する問題です。分野としては2年生の地学分野、天気の内容になっています。

 

問1 金属製のコップの表面の温度が少しずつ下がるようにしたのはなぜか。

 これは実験の操作の理由を簡潔に説明するための問題。この実験は水滴がコップ表面につく際の温度を測定することが目的。一気に温度を下げてしまうと、その間のどの温度で水滴がついたのかがわからなくなってしまうので少しずつ温度を下げていく必要がある。

問2 グラフや実験結果から考える問題

① 午前10時の湿度として適切なのはアとイのうちどちらか

湿度は

 1m3中の空気に含まれる水蒸気量/その温度における飽和水蒸気量*100

で求めることができる。

 午前10時では16.2℃で水滴が見られた。この現象は空気中の水蒸気量と飽和水蒸気量が同じになった時に起こる。そのため、午前10時に空気中に存在する水蒸気量は16.2℃における飽和水蒸気量と同じであることがわかる。グラフからおおよそ13.8g/m3であることがわかる。午前10時の気温は17.0℃であるため、飽和水蒸気量はおおよそ14.5g/m3なので、上の公式に当てはめて計算すると、約95%であることがわかる。

② 1m3に含まれる水蒸気の量は午前10時と午後6時ではどちらが多いか

①でも説明した通り、水滴がコップ表面につくのは温度が下がり、飽和水蒸気量が1m3の空気の水蒸気量と同じになったときである。そのため、<結果1>のデータから午前10時は16.2℃の飽和水蒸気量と、午後6時は12.8℃の飽和水蒸気量と同じ量の水蒸気を含んでいることがわかる。飽和水蒸気量は温度が高いほど大きいため(これはグラフからもわかる)、午前10時の方が多く水蒸気を含んでいることがわかる。

問3<結果2>からわかることをまとめ文章の穴埋め

実験結果からわかることをまとめるというよりは雲のでき方についての説明についてまとめる問題。フラスコからピストンで空気を抜くことで,フラスコ内に残った空気は膨張していく。空気が少なくなっているので、押す力も小さくなり、気圧は下がる。空気は膨張することで温度が下がるため飽和水蒸気量も小さくなっていき、水蒸気が水滴に変化していく。

実際の自然界では上空にいった空気が膨張することで同じことが起こり、空気中の水蒸気が凝結し、雲となっている。

問4<資料>から通過した前線の説明と、前線付近で発達した雲の説明とを組み合わせたものとして適切なものを選べ。

問題文の中に「寒冷前線」と書いてあるので基本的な寒冷前線の知識について説明する問題。暖気が寒気をはい上がるのが温暖前線、寒気が暖気を押し上げていくのが寒冷前線。またこの2つの空気の境界面(前線面)で空気が上昇するため、問3の流れで雲が発生する。その境界面が緩やかな温暖前線では雲も薄く広く広がるため「広い範囲に長く弱い雨を降らせる」が、寒冷前線では境界面が急で狭い範囲に厚い雲が形成される。そのため、「短時間に強い雨を降らせる」。そのため答えは「エ」となる。

 

基本的な問題が多く、理解していればそれほど難しくないが、苦手な人も多い単元なので、まずは基本からしっかりと押さえていくのが良いと思う。

令和5年度都立入試理科解説(大問2)

こんにちは!理科教師のなおです。今日は引き続き令和5年度の都立入試の解説をしていきたいと思います。

今日は大問2です。こちらも大問1と同様に小問集合ですが,大問1とは少し違い,知識を理解しているのは前提として,少しそれを応用して考えるような問題になっています。単純に暗記しているだけではなく,それをどう使うか思考するような問題になっています。

 

1 平均の速さ(中3物理 運動)

 平均の速さを求める問題。平均の速さは「進んだ距離/移動するのにかかった時間」で求めることができます。

 旗が2m地点を通過からしてから6m地点を通過するまでのそれぞれの値は

   進んだ距離は6 - 2 = 4 m

  かかった時間は122.2 - 40.4 = 81.8 s

 そのため,平均の速さは4 / 81.8 で計算することができる

 計算すると,0.048...。 少数第三位を四捨五入して答えは0.05

 

2 濃度,密度(中1化学 水溶液)

 ちょっとだけ難しめの問題。問題文をよく読んで,何が聞かれているかを整理する必要がある。

 ① 「3%の食塩水100gに含まれる食塩の量」に対する,「凍った部分の表面を取り除き残った部分100gに含まれる食塩の量」の割合を求める。

  長ったらしいが,それぞれの食塩の質量を求めて,割り算して100かけるだけでオッケー

  「3%の食塩水100gに含まれる食塩の量」はそのまま3g

  「凍った部分の表面を取り除き残った部分100gに含まれる食塩の量」は濃度が0.84%であることが問題文からわかるので0.84g。

  なので求める数値は0.84 / 3 × 100 = 28 %。

 ② 3%の食塩水に「凍った部分の表面を取り除き残った部分」は浮くということは密度が「凍った部分の表面を取り除き残った部分」の方が小さいというこ

  と。なので,アが正解

 

3 発生(中3生物 発生)

 発生は細胞の大きさがもとに戻る前に分裂を繰り返すが,体細胞分裂であることは変わらない。

 そのため,各細胞がもつ染色体の数は分裂前後で変わらない。

 図4の受精卵が24本の染色体をもつということは1つの細胞につき染色体を24本もつ。

 図5では細胞が2つあるので24×2=48  図6では細胞が4つあるので24×4=96

 そのため答えは「エ」

 

4 太陽(天体)の1日のうごき(中3地学 天体)

 今回の問題はよく教科書に載っている南の空ではなく,北の空を見ていることに注意。

 太陽を含めて,天体は地球の自転によって見かけ上動いているように見える。

 そのため,北半球において北の空では天体が反時計回りに回っているように見える。

 なので図7の見かけ上の動きはYが正解

 また,北極が太陽の方に近づくように地軸が傾き,太陽の光に当たっている時間が長くなる位置が北半球が夏至になるときなので図8で日本が夏至となるのはA。

 そのため答えは「ウ」

 

 

大問1に比べると少し難しい問題もあるが,学習内容をただ暗記するのではなく,なぜそうなるのかなどしっかり理解していると解ける問題が多い。普段の授業からそうしたことを考えながら学習が進められると良いかもしれない。

令和5年度都立入試問題解説(大問1)

お久しぶりです。理科教師のなおです。

卒業式などの大きな行事も終わり、年度末のバタバタも落ち着いてきました。

今日は先日行われた令和5年度都立入試の問題についての解説を行いたいと思います。

問題に関してはこちら

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20230221_09/rika_mondai.pdf

 

今日は大問1について

 例年通りの小問集合。難しい問題はなく,基礎的な知識が問われている

 

1 生態系(中3終章)

 生産者,消費者という基本的な単語を理解していれば難しくない問題

  生産者:光合成などを行い,自分で栄養を作る 例:植物

  消費者:食べることで栄養を外部から摂取し,消費する 例:動物

  分解者:生物の死骸や糞などを分解することで栄養を得る生物 例:微生物など

 なので,生産者に植物を,消費者に動物を入れている「ア」が正解

 

2 火成岩(中1地学 火山)

 火成岩についての基礎的な知識を問う問題。以下の表や基礎的な知識が身についていれば解ける。

  f:id:o_bam_a:20230321161831j:image

 深成岩:地下深い場所でゆっくりと固まった火成岩。

  →結晶が集まる時間があるため,結晶が大きい等粒状組織をもつ

 火山岩:地表に近い場所で急激に冷え固まった火成岩

  →結晶が集まる時間がなく,小さな結晶でできる斑状組織をもつ

 問題になっている玄武岩は黒っぽい火山岩の岩石なので,「エ」が正解

 

3 ガスバーナーの操作

 ガスバーナーの基本的な操作に関する問題。

 ガスバーナーの2つあるネジのうち,下がガス,上が空気を調節する

 学校で実験を行う際は人に任せず実際に自分で扱っててで覚えておこう

 

4 凸レンズ(中1物理 光)

 凸レンズによって作られる像に関する問題。今回はスクリーンにできる像なので実像

 凸レンズによってできる実像は焦点距離から2倍の位置に物体を置いた時に元の物体と同じ大

 きさの像が焦点距離の2倍の位置にできる。その状態を基準に考えると

  物体を焦点に近づける  →   像ができる位置が遠ざかり,大きくなる

  物体を焦点から遠ざける →   像ができる位置が近づき,小さくなる

 問題の図は物体が焦点の距離の2倍の位置よりも焦点から遠い位置に置かれているため,実像ができる位置

 は焦点距離の2倍の位置よりも焦点に近く,できる実像の大きさは元の物体に比べて小さくなる。そのた

 め答えは「イ」

 

5 単体と化合物(中2化学 原子分子,化学式)

 単語や中学校で出てきた物質について理解しているかを問う問題

  単体 :1種類の原子のみでできた物質

  化合物:2種類以上の原子でできた物質

   →そのため,化学式で表したとき,単体は原子1種類,化合物は原子2種類以上となる

 問題に出てきた物質はそれぞれ化学式で表すと

  A CO2      B H2O     C NH3     D O2

 なので,原子が1種類のDのみ単体,その他は化合物。答えは「ア」

 

6 花の構造(中1生物 植物のからだのつくりと分類)

 アブラナなどの花の構造は外側から「がく→花弁→おしべ→めしべ」

 そのため答えは「イ」

 

このように大問1に関しては基本的な知識が理解できていればそれほど難なく解くことができる

しっかりと学習内容を整理し,理解しておくことが重要である。