令和5年度都立入試理科解説(大問2)
こんにちは!理科教師のなおです。今日は引き続き令和5年度の都立入試の解説をしていきたいと思います。
今日は大問2です。こちらも大問1と同様に小問集合ですが,大問1とは少し違い,知識を理解しているのは前提として,少しそれを応用して考えるような問題になっています。単純に暗記しているだけではなく,それをどう使うか思考するような問題になっています。
1 平均の速さ(中3物理 運動)
平均の速さを求める問題。平均の速さは「進んだ距離/移動するのにかかった時間」で求めることができます。
旗が2m地点を通過からしてから6m地点を通過するまでのそれぞれの値は
進んだ距離は6 - 2 = 4 m
かかった時間は122.2 - 40.4 = 81.8 s
そのため,平均の速さは4 / 81.8 で計算することができる
計算すると,0.048...。 少数第三位を四捨五入して答えは0.05
2 濃度,密度(中1化学 水溶液)
ちょっとだけ難しめの問題。問題文をよく読んで,何が聞かれているかを整理する必要がある。
① 「3%の食塩水100gに含まれる食塩の量」に対する,「凍った部分の表面を取り除き残った部分100gに含まれる食塩の量」の割合を求める。
長ったらしいが,それぞれの食塩の質量を求めて,割り算して100かけるだけでオッケー
「3%の食塩水100gに含まれる食塩の量」はそのまま3g
「凍った部分の表面を取り除き残った部分100gに含まれる食塩の量」は濃度が0.84%であることが問題文からわかるので0.84g。
なので求める数値は0.84 / 3 × 100 = 28 %。
② 3%の食塩水に「凍った部分の表面を取り除き残った部分」は浮くということは密度が「凍った部分の表面を取り除き残った部分」の方が小さいというこ
と。なので,アが正解
3 発生(中3生物 発生)
発生は細胞の大きさがもとに戻る前に分裂を繰り返すが,体細胞分裂であることは変わらない。
そのため,各細胞がもつ染色体の数は分裂前後で変わらない。
図4の受精卵が24本の染色体をもつということは1つの細胞につき染色体を24本もつ。
図5では細胞が2つあるので24×2=48 図6では細胞が4つあるので24×4=96
そのため答えは「エ」
4 太陽(天体)の1日のうごき(中3地学 天体)
今回の問題はよく教科書に載っている南の空ではなく,北の空を見ていることに注意。
太陽を含めて,天体は地球の自転によって見かけ上動いているように見える。
そのため,北半球において北の空では天体が反時計回りに回っているように見える。
なので図7の見かけ上の動きはYが正解
また,北極が太陽の方に近づくように地軸が傾き,太陽の光に当たっている時間が長くなる位置が北半球が夏至になるときなので図8で日本が夏至となるのはA。
そのため答えは「ウ」
大問1に比べると少し難しい問題もあるが,学習内容をただ暗記するのではなく,なぜそうなるのかなどしっかり理解していると解ける問題が多い。普段の授業からそうしたことを考えながら学習が進められると良いかもしれない。