令和5年度都立入試問題解説(大問1)
お久しぶりです。理科教師のなおです。
卒業式などの大きな行事も終わり、年度末のバタバタも落ち着いてきました。
今日は先日行われた令和5年度都立入試の問題についての解説を行いたいと思います。
問題に関してはこちら
今日は大問1について
例年通りの小問集合。難しい問題はなく,基礎的な知識が問われている
1 生態系(中3終章)
生産者,消費者という基本的な単語を理解していれば難しくない問題
生産者:光合成などを行い,自分で栄養を作る 例:植物
消費者:食べることで栄養を外部から摂取し,消費する 例:動物
分解者:生物の死骸や糞などを分解することで栄養を得る生物 例:微生物など
なので,生産者に植物を,消費者に動物を入れている「ア」が正解
2 火成岩(中1地学 火山)
火成岩についての基礎的な知識を問う問題。以下の表や基礎的な知識が身についていれば解ける。
深成岩:地下深い場所でゆっくりと固まった火成岩。
→結晶が集まる時間があるため,結晶が大きい等粒状組織をもつ
火山岩:地表に近い場所で急激に冷え固まった火成岩
→結晶が集まる時間がなく,小さな結晶でできる斑状組織をもつ
問題になっている玄武岩は黒っぽい火山岩の岩石なので,「エ」が正解
3 ガスバーナーの操作
ガスバーナーの基本的な操作に関する問題。
ガスバーナーの2つあるネジのうち,下がガス,上が空気を調節する
学校で実験を行う際は人に任せず実際に自分で扱っててで覚えておこう
4 凸レンズ(中1物理 光)
凸レンズによって作られる像に関する問題。今回はスクリーンにできる像なので実像
凸レンズによってできる実像は焦点距離から2倍の位置に物体を置いた時に元の物体と同じ大
きさの像が焦点距離の2倍の位置にできる。その状態を基準に考えると
物体を焦点に近づける → 像ができる位置が遠ざかり,大きくなる
物体を焦点から遠ざける → 像ができる位置が近づき,小さくなる
問題の図は物体が焦点の距離の2倍の位置よりも焦点から遠い位置に置かれているため,実像ができる位置
は焦点距離の2倍の位置よりも焦点に近く,できる実像の大きさは元の物体に比べて小さくなる。そのた
め答えは「イ」
5 単体と化合物(中2化学 原子分子,化学式)
単語や中学校で出てきた物質について理解しているかを問う問題
単体 :1種類の原子のみでできた物質
化合物:2種類以上の原子でできた物質
→そのため,化学式で表したとき,単体は原子1種類,化合物は原子2種類以上となる
問題に出てきた物質はそれぞれ化学式で表すと
A CO2 B H2O C NH3 D O2
なので,原子が1種類のDのみ単体,その他は化合物。答えは「ア」
6 花の構造(中1生物 植物のからだのつくりと分類)
アブラナなどの花の構造は外側から「がく→花弁→おしべ→めしべ」
そのため答えは「イ」
このように大問1に関しては基本的な知識が理解できていればそれほど難なく解くことができる
しっかりと学習内容を整理し,理解しておくことが重要である。