【理科・授業解説】静電気発生の仕組み【物理・電気】
みなさんこんにちは!
理科教師のなおです。とっても寒い日々が続いていますね。
私は寒いのが苦手なので夏が待ち遠しい、、、
さて、中2の授業では天気の分野も終わり、電気の分野が始まっています。
電気はとても面白い分野ですが、感覚的に学習してしまったり、ただ公式を覚えるだけになってしまったりと大雑把に扱われがちです。
私も中2の頃はただ覚えるだけの授業になってしまっていたなと反省しています。
今回はそんな電気の授業のはじめにあつかう静電気の発生について解説していきたいと思います。
1.世の中の物質の構成
静電気について説明するためにはまず世の中に存在する物質が何でできているかを説明していく必要があります。
例えば皆さんが普段学校の教室で使っている机は何でできているでしょうか。
木や鉄、プラスチックなどいくつかの材料で作られていると思います。
じゃあその木や鉄は何でできていますか?
そうやって世の中のものは何でできているんだろうとどんどん掘り下げて考えていく人々が昔いました。
その人たちは考えて考えて考えて最終的に「それ以上分割することのできない粒子になる」という結論にたどりつきました。
それが以前化学の分野で扱った「原子」というものです。この世には100種類以上の原子が存在していて、それが組み合わさることで全ての物質が構成されています。しかしながら、実は原子もある小さな粒でできていることをみなさんご存知でしょうか。
原子は以下の図のようにプラスの電気をもった原子核とマイナスの電気をもった電子が集まることでできています。
ちなみにもっと細かく見ていくと原子核はさらに小さなプラスの粒子陽子と電気的性質を持たない中性子に分かれています。
原子核の周りの電子ですが実は地球の周りを回る月のように原子核の周りをぐるぐると飛び回っています。
2.静電気発生の仕組み
さて、ここから静電気発生の仕組みについて。
先程原子核の周りを飛び回っていると伝えた電子ですが、実はちょっとした力が加わると普段飛び回っている原子核の周りから離れていってしまう場合があります。
通常静電気の発生は異なる物質をこすり合わせることで発生します。物質にはマイナスの電気をもつ電子を手放しやすい物質と受け取りやすい物質が存在します。たとえば服などの繊維に用いられるナイロンとポリエステルではナイロンの方が電子を手放しやすく、ポリエステルの方が電子を受け取りやすい。そのため、ナイロンとポリエステルをこすり合わせるとナイロンからポリエステルへ電子が移動してしまう。
通常の原子ではプラスの粒とマイナスの粒が同数で存在するため、電気的には中性(プラスにもマイナスにも傾いていない状態)であるが、こうした電子の移動が起こると片方はマイナスの電気を多く持つためマイナスに、もう片方はマイナスの電気が少なくなるためプラスに傾いた状態になってしまう。この状態を「帯電」と呼ぶ。
マイナスの電気が多い状態を「マイナスに帯電」、プラスの電気が多い状態を「プラスに帯電」という。
電気の+と−は磁石のN極とS極のように異なるものは引き合い、同じものは反発しあう性質をもつ。
そのため静電気はくっついたり反発し合ったりといった性質を示す。
3.まとめ
静電気は異なる物質が擦れあったりすることで、電子の移動が電気的な偏りが生じることで発生する。